コロの頬杖

俳句 短歌 掌編  自作です  将棋はハンゲームの対局棋譜多いと思います よろしければ感想お願いします

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私(おもい)想

夢うつつ 四十九日は 五月晴れ

こころ

紫陽花の 朝露揺らす 笛の音

五月雨の 想いはセピア 忍び泣き

指を離したとたん、あっ、と小さく叫んでしまう。やってしまった、さっきまで注意してたのに、相手の細長い指が目に入り、つめが伸びてるのが気になった。不意に5二の金が取れると思った。取ってしまった。駒台から人差指と中指の2本指でつままれた角が、ためらうように、2五に舞い降りる。王手飛車か、つぶやく。自分のつたなさに顔が熱くなる。太ももに置いた手の指が軽くリズムを取る。頭の中で鼻歌が聞こえる。彼が好きな曲だった。あまり強くない彼が、将棋に弱い私を追い込んだときに必ず、口ずさむ歌。相手の顔を見た。脂ぎった似てもにつかぬ顔がそこにある。前後左右から鳥のさえずりに似た喧騒が湧きあがる。指し進めた盤面にかるくお辞儀をする。「まいりました」

 将棋を指すようになったのは父の影響だった。「かすみぃいい」、名前を呼ぶときの抑揚で,父の用件がわかった。長く引きずる時は将棋の相手と決まっていた。同じ列に歩さんは2つ置けないんだよ、桂馬さんは蛙のようにぴょんぴょん跳ねる、そんな教え方だった。中学に入ってからは、呼ばれても聞こえないふりをした。盤面をはさむ父の息がくさかった。父の引きずるような呼び方に鳥肌が立った。

 また指し始めたのは彼が将棋が好きだったから。アルバイトに川崎に近い将棋道場を選んだのも彼が薦めたから。都心のコーヒショップで洗濯石鹸でコップを洗い、同僚の悪口を言う毎日に疲れていた。「暇なときは本読んでてもいいみたいだよ」お茶を出し、アルミの灰皿の吸殻を捨て、タバコで焦げた机を雑巾で拭く。土日を除くと暇だった。平日は近所のおじいさんが2人、1人と狭い階段をのぼってきて、勝手気ままに盤を出し、病院の評判を口にする。香澄さん、呼ばれて将棋の相手をするときもある。父と同じ息のにおいがした。夜の7時になると彼が来た。学生の彼は指が細く、なぜか伸びたつめの間はいつもくろずんでいる。そんな彼のつめを切るのが楽しい。9時になるとオーナーに電話をし、来てくれたお客の数を報告してお店を閉める。帰り道、肩にまわした彼の腕の暖かさを、心のそれと勘違いしていた。  できちゃったかも、儀式のようなそんな言葉を、かるく言ったつもりだった。学生の彼に何も期待はしていない、今回はあきらめる、もっと用心しよう、卒業したらまた作ればいい、そう結論していた。ただ優しい言葉がほしい。視線を落とした先に彼の手があった。組んだ手をはずし、せわしく組み替えるそれは、うそを言うときの彼の癖だった。「確かなの?」声が上ずっている。うなずく。遅れてるだけかもしれない。手をせわしく組みかえている。いいの、ごめん、もういい、両手を伸ばし、彼の手を包もうと思った。彼はさりげなくその手を躱した。

行ったり来たり

 格上の方に勝ち、良し!、と思うと、格下の方に惨敗、500p前後が限界かもしれません。 比較的終盤比較的うまく指せたと思う一局、感想、ご批評よろしくお願いします。

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